今日の芸術/岡本太郎

この本の冒頭で、岡本太郎は、芸術とはすべての人の瞬間瞬間の生きがい、自信から生まれるよろこびであり、そのよろこびが表現されたものが芸術作品である定義している。また、芸術はあらゆる時代にそれぞれ異なった形式と使命を持って創造されるので、定型はなく、絶対的に新しいという。さらに、芸術は「いやったらしく」なければならず、「きれい」であってはならないという。

 

「きれいさ」と「美しさ」は本質的にちがったものである。「きれいさ」は時代の典型、約束ごとによって決められた型であり、「美しさ」は、例えば醜いもの、不快なもの中にも見つけ出せるように、自分の精神で発見するものであるからだ。